意外と気にしない【地毛】自分の髪質と特徴とは?〜 髪質編〜
ヘアスタイルだけでなく、カラーやパーマなどにも影響を及ぼす髪質。ヘアサロンで「こんな風にして欲しい」と写真を見せてお願いしてみたら地毛の髪質を理由に断られたという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。剛毛やクセ毛など種類も多様で、一概に判断できないのも難しいところです。
今回は髪質を決める重要な要素や髪質に個人差がある理由などをまとめました。ヘアスタイルを考える時にも重要な髪質について、あらためて考えてみましょう。
美容院に行く前に、まずは地毛の状態をチェック
最近はヘアカラーなどを楽しむ人も増え、髪はファッションの一部で重要な要素です。顔の大部分を占める髪は、相手に与える第一印象にも大きく影響します。おしゃれに関心があるからこそ、髪の悩みが気になようになったという人もいるかもしれません。
「地毛がストレートすぎて髪を巻けない」
「髪質を理由にカラーを断られた」
「せっかくパーマをしてもすぐ取れる」
このような悩みはすべて髪質に大きく関係しています。
生まれてから一度もヘアカラーやパーマなど何もしたことのない髪(バージンヘア)の状態の人は今は少ないかもしれません。元々クセ毛の人だと地毛のままの方が扱いづらいという人もいて、良くも悪くもヘアスタイルに影響を及ぼすのが髪質なので、遺伝で決まると言われる地毛の髪質を知ることも大切です。
髪質が違えば、セットしやすいヘアスタイルも変わります。ヘアアレンジやファッションを思いっきり楽しむためにも、基本から押さえていきましょう。
髪の成分
髪のことを理解するために、まずは髪の内部構造について知りましょう。
髪の毛は、外側から内側に向かって「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層で構成されています。大部分がタンパク質で、シスチンというアミノ酸が多いのが特徴です。他に脂質、メラニン色素なども含まれます。
髪質で太さ・細さに影響を与えるのは「コルテックス」です。コルテックスは髪の85〜90%を占めるとも言われ、繊維状のタンパク質・ケラチンが束になってできています。コルテックスの量が多ければ髪は太く、少なければ細くなります。ケラチンは人なら皮膚や爪、動物なら魚のウロコやカニの殻、カメの甲羅などにも含まれている成分のこと。どれも薄くても簡単には破れない強度や、適度に力を逃がす弾力があります。これらの成分によって髪のしなやかさが生まれます。
コルテックスが多ければ髪が硬く、少なければ柔らかくなりますが「キューティクル」も関係しています。キューティクルは髪表面をウロコのように重なって内部を守る役目を持っていて、厚いと髪は硬く、薄いと柔らかくなります。キューティクルが厚いとダメージを受けにくく髪の防御力が高い長所がある半面、パーマやカラーなどの薬剤が内部へ浸透しにくいというデメリットもあります。一方、キューティクルが薄いとパーマやカラーが出やすく、ダメージを受けやすいのが短所です。
パーマやウェーブと髪質の関係
ウェーブがかったクセ毛にも、コルテックスが大きく関係しています。コルテックス内にある構造や組織、硬さが異なる2種類の毛髪内部にある組織(間充物質)が存在するのですが、この2種類がコルテックス内で偏って分布していると現れ、偏りが大きいほど強いクセになります。一方で、偏らずに同心円状に分布していると、直毛になると言われています。
クセ毛や直毛は生涯ずっと変わらないわけではありません。子供から大人になる思春期や、女性の場合妊娠・出産でも髪質は変化します。ヘアカラーなどのダメージや年齢を重ねたことで、クセやうねりが増すこともあります。
間充物質はカラーやパーマで使用する薬剤の影響を受けやすい場所。なくなるとパーマがかかりにくい、ヘアカラーの色が落ちやすいなどもこの組織の影響が考えられます。
髪の太さと硬さ
日本人だけではなく世界の方のに目を向けてみると、髪の特徴も多種多様です。髪の形や太さは遺伝子で決まることが多いため、住んでいるエリアや環境によって特徴が出てきます。
欧米の方々は細くてウェーブした髪質、見た目より強い髪質の方が多いと言われています。断面を見てみると楕円形に近い形をしています。アフリカ系の方々は髪が細くて弱く、細かくカールした縮れ毛の方が多いと言われています。断面を見てみると欧米の方々に比べてさらに細い楕円形に近いです。
アジア系の方々は太くて直毛だけど傷みやすい髪質が一般的です。断面を見てみると円に近い形。アジアの中でも特に日本人女性の髪は平均約0.08ミリの太さがあり、平均約0.05ミリである欧米人の1.5倍。世界で最も太い髪だそうです。髪は太さが太いほど円になりやすく、真円であるほど真っ直ぐになる傾向があるので、日本人をはじめとするアジア系の方々に直毛が多いのはこのためです。
髪質に違いが出るのはそれぞれが住んでいる環境に適応しようとした証拠。特に縮れ毛は、暑くて太陽の光が強く降り注ぐ赤道直下の地域に多く見られる特徴で、髪の間に空気の層と日陰を作って、頭皮やその下にある脳を守るためと言われています。
まとめ
髪表面のキューティクルや髪内部のコルテックスの状態によって髪質が異なります。一生の中でさまざまなダメージを受けて髪質が変わることもあると言われています。カラーやパーマなどが悩みの原因にもなる髪質ですが、それぞれも特徴を把握することで、髪の扱いが楽になることがあります。
自分の髪質がよくまだよく分からない…という方は、ぜひ日頃お世話になっている美容師さんに「私の髪質って?」と聞いてみてください。たくさんの髪に触れてきた経験から的確なアドバイスをくれると思いますよ。ぜひこの機会に地毛の髪質と特徴を知り、日々のおしゃれに役立ててくださいね。
【監修:毛髪診断士 高橋果内子】
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